ロードスターカップ 2015第3戦 NA/NBレース

全4戦のロードスターカップも、この第3戦で後半戦に突入。3ヶ月以上のインターバルをおいて、晩夏の8月最終週の開催である。

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「NB8クラス」
ここまでのシリーズポイント争いは、1位戸田(40P)、2位神谷(30P)、3位赤石沢(24P)、4位山平と羽入(10P)、6位澤田(8P)の順。1~3位は、第1~2戦の表彰台と全く同じ顔ぶれ。戸田が優勝し、神谷がノーポイントだと戸田のチャンピオンが決まる。
山平が欠場し、ニューカマーとして、一昨年のFCR/N1600チャンピオンの40号車古谷と、50号車須崎が参戦し、計11台。

「NA8クラス」
今年も開幕2連勝中だった昨年のチャンピオン1号車山形がお休みのため、出走3台となってしまったNA8クラス。何とか成立し、1位のみポイントが与えられる。
連続2位の山田が10P差のため、優勝すれば20P加算で逆転する。ただ、常に速さは見せているもののここまでノーポイントの小原も、今度こそと勝ちを狙っているはず。毎戦ドライバーを変える81号車は椎名のはずが、直前で体調不良のため第1戦に搭乗した松波にスイッチ。3人いずれも勝てば、初優勝。

「NA6クラス」
1位茂木(40P)、2位山川(30P)、3位入江(12P)で推移。このクラスも茂木が優勝し、山川がノーポイントだと茂木のチャンピオンが決まる。昨年のチャンピオン山川は是非とも勝ってポイントを逆転したいところ。
レギュラーの野木と、前線は欠場した辻本を加え計5台の出走と、一頃を考えればかなり寂しい出走台数となった。

[予選]
曇天だが、雨の心配はなさそうなそこそこ涼しいコンディションの中、8時25分から20分間の予選がスタート。すぐに50号車須崎が白煙走行で、オレンジボールが出される。
総合は取れない時でも、常にNB8クラスの頭は取っていた11号車戸田であったが、今回は91号車神谷が総合でもトップ。自身初のPPとなった。ただ戸田もコンマ2秒程度の差で食らいつく。NB8クラスは他クラス2台を挟んで、3番手78号車赤石沢、すぐ後ろに4番手3号車羽入、以下他クラス混じりながら、15号車三橋、84号車大矢、50号車須崎、24号車東、77号車鈴木、75号車澤田、40号車古谷の順。

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NA8クラスは88号車山田が総合3位でクラストップだったが、今回0号車小原が1秒弱の差をつけられ、間に4台も入られたのは小原にとっては誤算か。これで山田は楽になったはず。3番手に松波。

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NA6クラストップは、7号車茂木が総合でも4番手のタイムで奪取。ここのとこ好調なスピードを見せる入江が2番手で、23号車山川が3番手。第2戦をスキップしてエンジンを積み替えてきた76号車辻本、逆にエンジンパワーがなくなってきたと嘆く27号車野木と続く。

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[決勝]
予選終了後、決勝までのインターバルの間に、雲行きが怪しくなってきた。雨粒が落ちるまでには至らないため、そのままの仕様で各車がコントロールタワー前に移動を始めた辺りから、雨粒が落ちてきた。初めは小ぶりだったが、時期に本降りとなる。現在ほぼワンメイク状態の「クムホV700」は、ドライでの他銘柄を凌駕するグリップ力と引き換えに、排水性に難があり、この雨で各陣営がどう動くか。

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品切れのためV700が入手出来ず、予選もその代替としてV720で走った75号車澤田と81号車松波にとっては、恵みの雨か。予選もブリヂストンRE71Rで、決勝もそのままの77号車鈴木は今回RSCに2戦目の参戦。予選はNB8クラス9位。3台ともグリッド後方に沈んだため、追い上げのお膳立てが整ったか。
雨は止む気配がなかったものの、ダミーグリッド上ではNB8クラス8位、24号車東のみがタイヤをトーヨーR1Rに交換。フォーメーションラップ開始5分前まで作業可能だが、他はこのままV700でいくようだ。雨脚強く、SCスタートかという情報も一度もたらされたが、通常通りのスタンディングスタートとなった。

シグナルレッドからブラックアウト! レーススタート!
ウォータースクリーンを巻き上げながら各車1コーナーに進入。

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各車慎重なスタートを見せ、初PPの神谷が2番手戸田に1コーナーで並ばれかけるも、何とかトップを死守。その後方で、15号車三橋が78号車赤石沢に追突。赤石沢はリタイヤ。三橋にはペナルティが課された。総合3番手、NA8クラストップの88号車山田は1周目ので100Rでハーフスピンし、ポジションダウン。その反面、予選は振るわなかったが1週目に鬼神の走りで、0号車小原が3台を抜いて総合5番手。

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NA8クラストップに浮上。小原はその後も3周目に戸田、4周目に神谷を抜き去り、単独走行に。だがその小原の前には、V720を履く75号車澤田が驚異的なスピードで突っ走る。何せ1周目に13台抜きで総合3位、2周目にはトップに浮上。その後もどんどん2番手以降を引き離していく。

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元々はV700が入手できず、仕方なしのタイヤチョイスだったが、何が好転するか分からないものである。同じ境遇の81号車松波はエンジン不調でピットインを繰り返し、2周遅れで何とか完走するにとどまったが、症状が出る前の1周目のコカ・コーラーコーナーまでに5~6台をパッシングしたというから、完調であったら面白い結果になっていたはず。グリッド上でタイヤ交換した24号車東も1周目で総合6位、その後戸田と神谷も抜き、NB8クラス2番手に浮上。NA6クラスは7号車茂木がクラストップをキープ。NA6クラスの2番手、23号車山川とはかなりマージンがあるため、心理的には若干余裕があったことだろう。

8周のレースが終わり真っ先にチェッカーを受けたのは、NB8クラス75号車澤田。クラス2位の24号車東に1分近い差をつけて完勝。自身初優勝となった。最終ラップのハーフスピンはご愛嬌。2位の東は初表彰台となった。3位にはPPだった91号車神谷が入ったが、再車検で失格となり、予選クラス6位からじわじわと順位を上げてきた84号車大矢が入った。4位に11号車戸田。表彰台を外したのはいつ以来か。RE71Rの鈴木が5位。ここまでが入賞。6位に40号車古谷。予選最下位から悪天候でじわじわポジションを上げてきたのはさすが。以下、15号車三橋、50号車須崎、3号車羽入の順。

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NA8クラスは、上記の通り0号車小原が圧勝。2位の88号車山田に35秒もの大差をつけた。ベストラップも、他のV700装着車両に比べても2~3秒も速く、今回のMVPは小原であろう。山田は悔しい連続2位。今回も勝てず。勝てそうで勝てない。

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NA6クラスは、1位7号車茂木、2位23号車山川と続き、第1~2戦と同じ結果となった。3位には、これが初表彰台となった27号車野木。以下、76号車辻本、入江の順。

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注目のチャンピオン争いだが、NB8クラスは戸田が4位に入り、10P加算で50Pになり、2位神谷が無得点だったため、最終戦を待たず5年連続の王座が確定した。2位は30Pの神谷のままだか、今回優勝の澤田が28P、赤石沢が24Pで続く。シリーズ2位争いにも注目したい。
NA8クラスは、この優勝で小原にのみ20P加算。0号車山形40P、山田30P、小原20Pとなり、次戦3台のエントリーでクラスが成立した場合、山田か小原か勝った者がシリーズチャンピオンになる(山形は欠場予定)。ただ、エントリーが4~5台だと2位にもポイントが加算されるので、その限りではない。NA6クラスは茂木60P、山川45Pとなり、次戦で山川が優勝し、茂木がノーポイントで終わらない限りは茂木のチャンピオンが決まる。

次戦、ロードスターカップ最終戦は、冬の気配が近づく10月31日(土)に開催される。