3)マシンを用意する

レースを走るにあたって、 まずレギュレーション上必須となるのが以下の3点です。
●6点式以上のロールケージ(スチール製)
●5点式以上のシートベルト(製造後5年以内)
●前後牽引フック(スチール製)

必ず必要と思われる部分が以下の4点です。

●ブレーキパッド
⇒ノーマルパッドでサーキットを走るのはちょっと無理。 各メーカーから発売されているスポーツパッドを使用することになります。

●点火プラグ
⇒ノーマルではサーキット走行では持たないので交換しましょう。

●フルバケットシート
⇒運転席だけでいいのでフルバケットシートがほしいところ。 体をしっかりホールドすることはスポーツドライビングの基本です。

●タイヤ
⇒2019年シリーズよりタイヤメーカー、ブランドがクラス毎に指定されたものを使用することとなりました。
◎1.6、1.8クラス ブリヂストン POTENZA Adrenalin RE004
◎1.5、2.0オープンクラス ダンロップ DIREZZA ZⅢ
◎1.5、2.0チャレンジクラス ブリヂストン POTENZA Adrenalin RE004

まずは最低限必要な変更から始めて、徐々に車高調整式サスペンション・機械式LSD・強化ブッシュ・強化クラッチ・計器類・エアロパーツ等、予算に合わせて用意して、戦闘力をアップしていく、そんな楽しみをお勧めします。

参考までに車両規定の概要を記載いたします。
詳細な内容につきましては実際の車両規定をご確認ください。
また、ありがちな質問につきましてはQ&Aコーナーもご覧ください。

 

「車両規定概要」

1.6, 1.8クラス(NA/NB)

<エンジン>

エンジン本体、ECUは変更が一切認められていませんが、スピードリミッター解除は行うことができます。
コストのかかるエンジンチューニングを行わないことによって参戦コストを軽減しています。それでも、吸排気系にモディファイを加えたロードスターはストレートで200kmのスピードに到達します。

<吸気系>

エアクリーナーBOX、インテークパイプの変更が認められています。吸気ダクトの変更が認められておりラムエアダクトを装備する車両もあります。

<排気系>

マフラー、EXマニーホールドの変更が可能です。
ただし、触媒はノーマル触媒を使用することが義務づけられています。音量規制についても保安基準に適合する必要があります。

<サスペンション、駆動系>

任意の車高調整式サスペンションの使用が認められています。
スタビ、LSDの変更も可能で、トータルでのセッティングを行うことによって、高いコーナーリング性能を実現しています。

<タイヤ>

POTENZA Adrenalin RE004のワンメイク指定となります。サイズは195/55R15です。

<ボディ関連>

6点式以上のロールバーの取り付けが義務付けられています。またストラットタワーバーなどの補強パーツも装着可能です。
オープンカーであるロードスターですが、レースではクローズド状態が義務づけられており幌、またはハードトップを装着します。

<インテリア>

保安基準に適合する必要があるため基本的に内装はそのままの状態となります。ただし、カーペットの撤去は認められているので、中には鉄板のフロアボディむきだし、エアコン、オーディオレスのスパルタンな仕様のクルマもあります。一方で日頃の通勤や街乗りに使用するクルマでレースに出る参加者も多く、内装はもちろん、エアコン、オーディオも普通についているいわゆる街乗り仕様のクルマもあり、それぞれの参加者が自分のスタイルにあった形で楽しんでいます。

1.5, 2.0クラス(NC/ND)

1.5(ND5RC), 2.0(NCEC)にはオープンクラスとチャレンジクラスの2種類があり保安基準クリアを前提に 排気系・足回り・エアロと改造できるオープンクラスとタイヤ・ブレーキパッド等の消耗品をサーキットに耐えられる物に交換しノーマル状態で参戦するチャレンジクラスとがあります。
各クラスともNC, NDの全てのグレードで参戦可能です。また2LエンジンのNDERCも2.0オープンクラスに参戦することができます。

オープンクラス
改造範囲は 保安基準適合が前提で、交換可能パーツもエアロのようにレギュレーションにて認定されたものしかダメなものから、足回りのように自由なものと細かく決められております。
NA/NBに比べると改造範囲は似ていますが、排ガス規制や騒音規制・衝突安全性に対しての外観規制においても近年の車両であるため厳しい基準となっております。
特にエアロやマフラーのように、各都道府県の車検場でグレーとされる部分については、何処でも車検に通る改造であるものしか採用されておりません。
しかしながら、ノーマルに比べエアロ・GT Wingや車高調の装着により セッティング次第ではノーマルでは走れないレベルでのコーナリング性能を発揮し 富士でチャレンジクラスの車両と比較し1~2秒程度速いタイムを刻む事も可能です。

チャレンジクラス
ロードスターNR-A車両にて行われているパーティーレースに準じたクラスで改造は殆ど認められておりません。
しかし違いとして NR-Aグレードに限らず全てのグレード車両で参加できます。
チャレンジクラスは、ロールバー付きでしたらほぼそのままでレースに参戦出来る手軽さが大きな魅力です。
また 富士スピードウェイの最大の魅力である直線でのバトルを楽しめるようNC車両ではスピードリミッターをカットすることができます。

<エンジン>

オープンクラス
・エンジン本体の改造は認められてません。
・点火プラグは変更可能。
・フライホイールは変更可能。
・ECUはDo Engineeringが提供しているECUプログラムへの書換え、スピードリミッターカット。
・フライホイール変更可能。
・バッテリー変更可能。ただし搭載位置の変更は認められていません。
・認定されたオイルクーラーの装着可能。
・ファンコントローラーの追加可能
チャレンジクラス
・エンジン本体の改造は認められてません。
・点火プラグは変更可能。
・ECUはスピードリミッターカット又は外付けスピードリミッターカット。(NCのみ)
・ドライバッテリー変更可能。ただし搭載位置の変更は認められていません。(NCのみ) 
・ファンコントローラーの追加可能。(NCのみ)

<吸気系>

ほぼ改造できない部分です。
オープンクラス
・エアクリーナのエアカートリッジのみ変更可能。
・認定されたエアダクトの装着可能。
チャレンジクラス
・エアクリーナのエアカートリッジのみ変更可能。

<排気系>

オープンクラスでは、マフラーとEXマニの交換が可能ですが、同一車両でも生産された年式によりその排ガス規制や音量規制の対象が変わりますのでご注意ください。
オープンクラス
・マフラー・EXマニホールドの変更可能。ただし当該車両の保安基準適合品であること。
チャレンジクラス
・認定されたマフラーへの交換が可能。

<サスペンション・駆動系>

オープンクラス
・スプリング/アブソーバー/スタビライザーの変更可能。
・クラッチディスク/カバーは数及び直径を除き変更可能。
・ディファレンシャル(LSD)の変更可能。
チャレンジクラス
・改造は認められていません。ただしNR-A以外のグレードについては NR-Aに使用している車高調整式ダンパーキットへの変更が可能です。

<ブレーキ>

共通事項
・ブレーキパッドの変更可能。
・認定されたローターの変更可能。
・ブレーキホースの変更可能。

<タイヤ>

タイヤは各クラスにより使用できるサイズが変わっています。
オープンクラス
DUNLOP DIREZZA ZⅢ
・205/50-16 (NCEC, ND5RC, NDERC)
・205/45-17 (NCEC)
チャレンジクラス
BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE003
・205/50-16 (NCEC)
・195/50-16 (ND5RC)

<ホイール>

オープンクラス
・16inch or 17inch 6.5J~7.5J Offset+45~55 (NCEC)
・16inch or 17inch 6.5J~7.0J Offset+25~50 (NDERC)
・16inch 6.5J~7.0J Offset+25~50 (ND5RC)
チャレンジクラス
・16inch 6.5J Offset+55 (NCEC)
・16inch 6.5J Offset+45 (ND5RC)

<ボディ関連>

オープンクラスで装着可能なエアロは DoENG・JetStream・NOPRO・GARAGE VARYと各社から認定部品として出ておりますので、自分にあったパーツを選んで仕上げるのも魅力です。
オープンクラス
・認定されたエアロの装着可能。(自己申請も可能)
・認定されたGT Wingの装着可能。
チャレンジクラス
・改造は認められていませんが、一部純正アクセサリーの装着は可能となっています。
共通事項
・指定されたロールバーの装着
・指定された前後牽引フックの装着
・幌車のハードトップ装着は認められていません。
・最低地上高9cm以上

<インテリア>

オープンクラス
・350mmのステアリングへの変更可能。
・シフトノブの変更可能。
チャレンジクラス
・改造は認められていません。
共通事項
・FIA公認シートまたは認定シートへの変更可能。
・追加メータ装着可能。

詳細につきましては競技規則・車両規則をご確認ください。
また随時 追加ブルテンも発行されてますので、こまめにチェックする必要があります。
リンク先:
http://www.fsw.tv/freeinfo/005518.html (富士チャンピオンレースシリーズ規則書)
http://www.do-eng.com/mortorsports/regulation/ (ロードスターカップ競技規則・車両規則)