ロードスターカップ 2016第2戦 NC/NDレース

2016年6月25日(土)の富士スピードウェイ。
富士チャンピオンレースロードスターカップNC/NDレースの2016年第二戦が行われた。

ロードスターカップNC/NDレースは、タイヤ・パッド以外ほぼノーマル車両で競うチャレンジクラスと、車高調・デフ・エアロパーツ等改造範囲がやや広いオープンクラスの2クラスで、今年は年間5戦を戦う。
NC/NDチャレンジクラスにおける筑波パーティレースとのレギュレーションのさらなる統一化により、ロードスターによる富士スピードウェイにおけるハイスピードバトルをより多くのレーサーが楽める設定となっている。第二戦は、NCオープンクラス3台・NCチャレンジクラス7台・NDチャレンジクラス2台の計12台がエントリー。

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NCチャレンジクラスは、今回パーティレースから3選手が参戦。筑波のNCシリーズクラスに数年参戦し入賞も果たしている55号車石井・99号車北浦。そして69号車の李は、2015年のNISSAN GTアカデミーの日本代表として、シルバーストンにて体力・スタミナ・精神力・ドライビングスキル向上のキャンプに参加した経歴を持ち、現在NCロードスターでレース経験を積みながら、ステップアップを狙っている若手レーサーだ。

迎え撃つ富士チャン勢は、開幕戦を欠場したNCチャレンジクラス2年連続チャンプの71号車登坂、開幕戦で嬉しい初優勝を勝ち取った22号車中桐、2年目を迎える女性レーサー87号車山本、坂本クリニック70号車にて参戦のGERHARDの4人。

NCオープンクラスは昨年のシリーズチャンピン1号車高橋、開幕戦を征した8号車菊池、NC/NDレースメンバーNo1の練習量で初のポイントゲットを狙う25号車橘川の3台。NDチャレンジクラスは、開幕戦優勝者で富士のロードスターレースで長きに渡り活躍している21号車新井、今回が公式戦レース初参戦となる3号車寺下の2台のエントリー。ロードスターカップNCレースにおいて、過去最高台数のエントリーとなった。

■予選

開幕戦に続きこの日も朝から生憎の雨模様。予選を迎えても天気は雨・路面はフルウェットの状況。NC/NDレースはデミオレース・N1000Vitzレースも加えた5レース・総勢22台の混走で予選が行われた。20分の予選では約8周のタイムアタックが可能。周を重ねるごとに乾いてくる路面を狙い後半勝負が定石だが、後半雨が強くなってくるリスクもあり、戦略が難しい予選となった。

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NDチャレンジクラスは21号車新井が全体でも5位の好タイムでクラストップタイム。3号車寺下も初体験の予選で見事全体9位の好タイムでクラス2位。開幕戦に続きNDの雨におけるポテンシャルの高さを見せつけた。

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NCオープンクラスは、8号車菊池がセッティングを外し苦戦しクラス2位に甘んじる中、1号車高橋がクラストップタイムを記録。25号車橘川がクラス3位に続いた。

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NCチャレンジクラスは、前半71号車登坂が毎ラップタイムを更新、2番手に付ける69号車李に1.3秒のアドバンテージ。雨が弱まりだした中盤に69号車李がタイム更新し71号車登坂に0.9秒差まで詰めるも、後半は再び雨が強くなりそのタイム差のまま予選終了。3番手以降は55号車石井・70号車GERHARD・22号車中桐・99号車北浦・87号車山本という結果となった。

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総合予選順位はNCチャレンジ71号車の登坂がトップタイムでポールポジションを獲得、2番手に69号車の李がつけフロントローをチャレンジクラスが独占。更にセカンドローの総合4位にもチャレンジクラスの55号車石井が食い込み、ウェットコンデションにおけるチャレンジクラス仕様の車両のポテンシャルの高さを見せた予選となった。

■決勝

コンディションは変わらず雨・ウェットで迎えた決勝は9周で行われた。NCとND、そしてデミオ・N1000Vitzが混走のレース。ポールポジションからの逃げきりを狙うNCチャレンジクラストップの71号車登坂、眼前のライバルをスタートでかわそうと狙う69号車李がフロントロー。2列目にはNCオープンクラストップの1号車高橋とNCチャレンジ3位の55号車石井、3列目にNCオープン2番手8号車菊池とNDチャレンジクラストップの21号車新井という上位陣のグリッド。

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フォーメーションラップ終了、グリーンフラッグ。

スタート!!

全車好スタートを決めオープニングラップをクリア後、NCチャレンジ55号車石井が順位を落とし、変わってNCオープン8号車菊池がジャンプアップ。総合1位争いをNCチャレンジ71号車登坂と69号車李、少し離れ総合3位争いをNCオープン1号車高橋と8号車菊池がそれぞれ争う形でレースは展開。

スタート後、徐々に弱まる雨。毎周毎周路面のコンディションが刻々と変化する難しい状況の中、レースは進んでいった。総合及びチャレンジクラストップ争いで動きがあったのが終盤6周目。アドバン(ヘアピン)コーナーでシフトミスし失速した71号車登坂を69号車李がパスしてトップに浮上するも、8周目の最終コーナーで69号車李の背後に着けた71号車登坂がストレートでスリップを使い再浮上。その直後のファイナルラップのTGRコーナー(1コーナー)にサイドバイサイドで突入した両者はブレーキング争いに・・・。

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ここでやや膨らんでしまった71号車登坂のインを付き69号車李が再々逆転でトップ。そのままゴールとなり嬉しい公式戦初優勝を飾った。2位となった登坂は2014年から続いていた連勝がついに7でストップとなった。

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総合3位とオープンクラストップ争いは、開幕戦に続き1号車高橋と8号車菊池が熾烈な争いに。オーバーテイクシーンは全てスリップからのTGRコーナー(1コーナー)。まずは3周目に8号車菊池が1号車高橋をかわしトップに浮上。しかし6周目に今度は1号車高橋が8号車菊池をかわし再逆転。「開幕戦の雪辱を晴らし今回は高橋が優勝か?」と思った8周目に1号車高橋がブレーキングで大きくオーバーラン。インから8号車菊池が交わしてトップ再々逆転しそのままゴールし、開幕戦に続く連勝を果たした。菊池との差はわずか0.5秒・・。高橋は開幕戦に続き悔しい連続2位でレースを終えた。

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NCチャレンジ・オープンのそれぞれトップ2に続く総合5位にNCチャレンジ3位表彰台の55号車石井、以降NDチャレンジクラス優勝の21号車新井、NCチャレンジ4位の99号車北浦、NCオープン3位表彰台の25号車橘川、NCチャレンジ5位の70号車GERHARD、NDチャレンジ2位表彰台の3号車寺下、NCチャレンジ6位の22号車中桐、NCチャレンジ7位の87号車山本と続いた。

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第二戦を終えてシリーズポイントは、NCオープンは40ポイントでトップの8号車菊池を15ポイントの1号車高橋が追う展開。NCチャレンジは20ポイントの同ポイントでトップの69号車李と22号車中桐を、15ポイントの71号車登坂が追う展開。NDチャレンジクラスは40ポイントの21号車新井が独走状態となっている。

2016年度のロードスターカップNC/NDレースは全5戦であるため、まだまだ全員にチャンピオンの可能性が残っている。次戦以降も激しい争いが期待できそうだ。次戦は8月20日(土)、富士チャンピオンレースRd4の中で行われる。